大学受験は情報戦だ! 偏差値41からの塾なし受験 明治大学逆転合格記

偏差値低くても、塾に行かなくても、正しい情報と戦略があれば戦える。

過去問を制する者は受験を制す

 

過去問の取組の実際

何度も繰り返すが、合格に一番必要なものは過去問だ。

極端な言い方をすると過去問と戦えるようになるために参考書や問題集に取組むと言ってもいい。

私たちが過去問にどのように取り組んだかを紹介する。

赤本1周目の得点推移

明治大学農学部の場合、2019年までは英語、数学、生物基礎・生物、それぞれ100点満点の計300点満点。2020年、2021年はそれぞれ120点満点の計360点満点。2022年以降はそれぞれ150点満点の計450点満点だ。

赤本を解く順番は新しい年度のものから取り組んだ。概ね、10月は2021年~2019年、11月は2018年~2016年、12月は2015年~2012年、1月は2011年~2009年だ。最新の過去問は入試本番直前までとっておいて腕試しに使うという方もいらっしゃるようだが、最近の傾向をいち早く知るためにも新しい年度のものから始めることをおすすめする。

赤本1周目の得点の経緯を下表に示す。緑色のハイライトは、各教科と合計点の最高得点を示している。ご覧になってお気づきかと思うが、はじめて合格最低点と目標点の両方を上回ったのは2009年の過去問のみ。時期としては年明けの1月も半ば過ぎだ。10月〜12月半ばあたりの点数は気にしなくていい。

明治大学農学部の2009年から2021年までの過去問について、英語、数学、生物基礎・生物、3科目合計の得点推移が表に示されています

明治大学農学部の過去問得点推移

目標点の設定について

過去問の目標点は、合格最低点の1.1倍としている。

理由は、私大の場合、得点調整が入るからだ。得点調整とは、選択科目ごとの有利・不利を解消するために、一定の基準により素点に下駄を履かせることをいう。例えば、選択科目の生物基礎・生物の平均点が50点、化学の平均点が65点だった場合、化学に比べて生物基礎・生物の難易度が高かったと考えられるので、生物基礎・生物の素点に数点加えたものを調整後の得点とするなどが考えられる。

なお、明治大学の得点調整の方法は公表されていないが、選択科目の得点調整はあるようだ。

10月〜11月の状況

10月から隔週で1年分の過去問にチャレンジ。1日で3科目やるのではなく、1日に1科目をやるようにした。この時期は1回の復習にめちゃくちゃ時間がかかるので、毎週過去問を解くのは無理だった。

具体的には実際の試験のようにすべての問題を解く。時間は計測するが、制限時間は設けない。60分の試験ならば+30分までは自力でがんばる。また60分でどこまで手をつけたかも記録する。

採点についてはあらかじめ予想配点を考えた試験成績表をexcelで作成しておき採点する(採点表の例を下表に示す)。これは父の役目。配点基準は概ね統一しておく。

過去問の採点表を示しています

採点表の例

間違えた問題を解き直すとともに間違えた問題の関連分野をすべて復習するというのはこれまで繰り返し述べてきたことだ。例えば英文法問題で「時制」を間違えたら参考書の「時制」の部分を勉強し直す。数学の確率の問題を間違えたら参考書の「確率」分野をすべてやり直す。これを繰り返すことで弱点を無くしていく。これまでも何度か書いたが、これが過去問のとても大切な使い方だ。毎週過去問を解くのは無理というのは、こういうこと。

結果について10月、11月はひどいもの。この頃はまったく手が届きそうにない。心が折れそうになるが、大丈夫と励ましながら12月に突入。

なお、この時期は制限時間内に完答できなくてもまったく気にすることはない。慣れに加えて時間戦略をしっかり立てることにより1月くらいになれば次第に制限時間内に完答できるようになる。

12月~1月の状況

12月後半くらいから制限時間を意識して過去問を解くようにした。あらかじめ時間配分を考えておき、大問ごとに時間も計測することをおすすめする。

英語:

なかなか安定しなかったが、別記事でも述べたように、「パラグラフリーディングのストラテジー」に取り組んだ後、75点をマークし、比較的安定するようになった。

得点は合格点に届かないものの、制限時間内で完答することができるようになったのは1月の中旬過ぎたあたりだ。

数学:

なかなか安定しなかったが、「実戦 数学重要問題集-数学Ⅰ・II・A・B(文系)」のA問題とB問題を数周し、苦手だった数列と確率・場合の数の単元強化学習に取り組んだあたりから少しずつ安定するようになった。

得点は合格点に届かないものの、制限時間内で完答することができるようになったのは1月の中旬過ぎたあたりだ。

生物基礎・生物:

中々点数が伸びない。最後の最後まで苦しんだが、赤本と「生物問題集 合格生物 177問」を周回するとともに分野別問題の対策を行うことで得点率65%くらいには到達できた。こうした知識が問われる科目についてはやればやるだけ伸びるので、本番ギリギリまで頑張ってほしい。

得点は合格点に届かないものの、制限時間内で完答することができるようになったのは12月の中旬あたりだ。

1月中旬から直前まで

入試本番を想定し、3科目について、開始時刻、終了時刻を本番に合わせて実施すること1回。本番直前は納得できるまで、解答時間などシミュレーションを行った。もちろん選択科目は2科目120分で実施した。また、マークシートを塗り潰す時間も本番と同じくするために教学社のホームページから本番と同じ解答用紙をダウンロードしてそれを使うなど徹底的に本番にこだわった(明治大学の解答用紙のダウンロードはこちらからhttps://akahon.net/univ/downloadl/269)。

16年以上前の古い赤本は問題集替わりに、出題されそうな問題を中心に解きまくった。もちろん復習込みだ。英語は、長文問題と文法・語彙問題。数学は確率、微積、数列あたり。

過去問15年分に関してはできない問題がなくなるまで復習した。

まとめ

「明治大学農学部の過去問得点推移」の表に示したように、3科目合計点ではじめて合格最低点と目標点を上回ったのは1月半ば過ぎ。それまでは目標点はおろか、合格最低点さえ超えることはなかった。

いまからでもあきらめずに「過去問を解く」→「間違えた分野を復習する」のサイクルを回し続ければ必ず結果はついてくると思う。がんばってほしい。

なお「過去問やっていて3科目合計点で目標点を上回ることができなくても、これまでの各科目の最高得点を合計して3科目の合格点を上回ることができれば合格の可能性はある」とおっしゃる塾経営者の方もいる。私たちはこの言葉を信じて過去問に取り組んだ。

最後まで決してあきらめずに戦ってほしい。

 

なお、英語、数学、生物の過去問に関する具体的な分析内容については、次の記事を参照ください。

 

learning-strategy.com

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参考書まとめ

この記事で挙げた参考書を以下にまとめる。