数学の勉強計画の全体像
数学の勉強計画の全体像を以下に示す。基本的には英語の計画で示したものと概ね同じであるが、夏休みが終わる8月末までを基礎力養成期とし、早め早めの対策を心掛けた。
明治大学農学部の数学の試験科目は、数学ⅠAと数学ⅡBなので、数学Ⅲは計画に入っていない。数学Ⅲが必要な場合、かなりタイトなスケジュールになることに留意していただきたい。
使用した参考書とスケジュールは次節に示す。
基礎力養成期:
6月~9月上旬:数学ⅠAと数学ⅡBの講義系参考書等による基礎学習と基本問題演習
実戦力養成期:
9月上旬〜11月末:数学ⅠAと数学ⅡBの入試レベルの実戦問題演習
入試直前期:
12月〜試験本番(2月半ば):過去問演習と徹底的な復習、問題形式別の対策、弱点分野の強化
基礎力養成期:6月〜9月上旬
数学ⅠAと数学ⅡBの全範囲について、教科書レベルの知識や典型的な問題に対応できることを目標とした。
通常は、数学ⅠA → 数学ⅡB の順番でつぶしていくのが一般的であるが、学校の授業の進度に合わせて数学ⅡBの該当範囲から問題集に取り組んだ(学校の授業は、3年生の1学期末(夏休み前)までに数学ⅡBを終え、数学Ⅲは3年生の1学期から2学期末までに終えるというカリキュラムであった)。
使用した参考書とスケジュールは以下のとおり。なお、計算力向上のため、「合格る計算」を4か月ほどかけてコツコツ解いていった。
6月上旬~7月中旬:数学ⅡBの基礎習得を中心に
- 「基礎問題精講 数学ⅡB」の例題のみ2周。
- 概ね1日10題を目標に進めた。四訂版は、全8章167題。30日あれば2周は可能。
- 2周目は、間違えた問題を中心に進めた。1周目の初見で完璧に解けた問題は、2周目ではやらないこととした。
- 講義系の参考書としては、「初めから始める数学Ⅱ」「初めから始める数学B」を使用した。
- 講義系参考書で不足している場合は、「スタディサプリ」を使って学習した。
7月中旬~8月上旬:数学ⅠA の基礎習得を中心に
- 「基礎問題精講 数学ⅠA 」の例題のみ2周。ただし、「第8章 データの分析」は除く(志望校の入試範囲外であったため、「データの分析」は共通テストの直前に実施することとした)。
- 夏休みに突入するので、概ね1日10~15題を目標に進めた。四訂増補版は、全8章145題。「第8章 データの分析」を除いたので、第1章~第7章までの129題。数学ⅡBよりも問題数が少ないので、3週間~4週間あれば2周は可能。
- 2周目は、間違えた問題を中心に進めた。1周目の初見で完璧に解けた問題は、2周目ではやらないこととした。
- 講義系の参考書としては、「講義系の参考書としては、「初めから始める数学Ⅰ」「初めから始める数学A」を使用した。
- 講義系参考書で不足している場合は、「スタディサプリ」を使って学習した。
8月上旬~9月上旬:数学ⅠAと数学ⅡB の基礎の仕上げ
- 「文系の数学 重要事項完全習得編 」の例題と演習問題を2周(この参考書は、数学ⅠAと数学ⅡBの両方を含む)。
- 夏休み中は、概ね1日15題を目標に進めた。
- 対象範囲は以下のとおり。
- 例題148問(合計152題のうち、「データの分析」の4題を除く148問)
- 演習問題(合計120題のうち、「データの分析」の4題を除いたうち、必要と認めた106題)
- 2周目は、間違えた問題を中心に進めた。1周目の初見で完璧に解けた問題は、2周目ではやらないこととした。
【推奨!】「基礎問題精講」の2周目は「基礎問題精講 例題定着ノート」を使え!
- 「基礎問題精講」の2周目は「基礎問題精講」の参考書そのものではなく、「基礎問題精講 例題定着ノート」を使うことを推奨する。正式名称は「数学I・A基礎問題精講 五訂版 例題定着ノート」「数学II・B基礎問題精講 五訂版 例題定着ノート」だ。
- これは、1ページに1例題が印刷されたノートだ。参考書を使った復習だと、どうしても解説が目に入ってしまうが、これだと問題しか見えないため、非常に実戦的な演習ができる。
- 息子によると、このノートを使ったことで例題の定着率が目に見えてよくなったとのこと。
実戦力養成期:9月上旬〜11月末
数学ⅠAと数学ⅡBの全範囲について、入試問題レベルの問題に対応できることを目標とした。
9月上旬~11月末:数学ⅠAと数学ⅡB の入試レベル問題を徹底演習
- 「実戦 数学重要問題集-数学Ⅰ・II・A・B(文系)」のA問題とB問題を徹底的に演習し、完答できるようにする。
- この問題集は、A問題:135題、B問題:61題、C問題:11題の合計207題が収録されている。このうち、C問題と「14 データの分析」の5題を除く191題を対象にした。内訳は以下のとおり。
- A問題:131題
- B問題:60題
- 9月上旬から11月末までを目安に、これら191題を完璧に解けるようになるまで演習を繰り返した。
- 概ね1日7~8題を目標に進めた。
10月半ばから週1ペースで過去問演習を開始
- 週1回を目途に明治大学農学部の学部別入試の過去問演習を開始した。
- 過去問を解いた後は、間違えた問題の解き直し、間違えた問題の分野について、「基礎問題精講」「文系の数学重要事項完全習得編」「実戦 数学重要問題集-数学Ⅰ・II・A・B(文系)」の該当分野を復習した。
単元強化学習(9月上旬から入試本番まで)
数列、確率が苦手だったため、以下の参考書で苦手分野をつぶした。
- 数列:「改訂版 坂田アキラの 数列が面白いほどわかる本」
- 苦手な「群数列」「格子点問題」「数学的帰納法」あたりを克服するためにピンポイントで使用した。時間があれば、最初にこれをやるのもありだと思う。
- 確率:「合格る確率+場合の数」
- この本は、高校で学ぶ確率と場合の数について、基礎的な問題から典型的な入試レベルの問題、難問までありとあらゆる問題パターンが掲載されている。これを使えば、共通テストやMARCHレベルの確率・場合の数の問題はほぼ落とすことがなくなるのではないかと考えている。
また、講義系の参考書として「やさしい高校数学」、演習が不足している場合「Focus Gold 4th Edition 数学Ⅰ+A」「Focus Gold 4th Edition 数学Ⅱ+B」を使用した。
なお、以前も書いたが、講義系参考書としては「やさしい高校数学ⅠA」「やさしい高校数学ⅡB」を使用しておけば、「初めから始める数学Ⅰ」「初めから始める数学A」「初めから始める数学Ⅱ」「初めから始める数学B」は不要だったかもしれない。
入試直前期:12月〜試験本番(2月半ば)
過去問を中心に徹底的に演習を行い、試験本番で点数が取れるようになることを目標とした。目安としては、過去問で合格最低点を取得すること。
過去問演習と徹底的な復習・類題演習:
- 最低でも週に1年分の過去問を解いた。間違えた個所の復習だけでなく、参考書を使って関連する分野をまとめて復習した。
- 復習にはこれまでに使用したすべての参考書を徹底的に活用した。
- 「やさしい高校数学」
- 「基礎問題精講」
- 「文系の数学重要事項完全習得編」
- 「実戦 数学重要問題集-数学Ⅰ・II・A・B(文系)」
- 「改訂版 坂田アキラの 数列が面白いほどわかる本」
- 「合格る確率+場合の数」
- 過去問で間違えた問題について、上記参考書では類題演習が不足している場合は、以下の参考書の該当問題を追加で使用した(すべて解いたのではないことに注意!)。
- 「文系の数学 実戦力向上編」
- 「Focus Gold 4th Edition 数学Ⅰ+A」
- 「Focus Gold 4th Edition 数学Ⅱ+B」
今日はここまで。
直前期の具体的な取り組みの詳細や過去問演習のやり方については、別の機会に。